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うさぎ家

うさ子
「菜っ葉の炊いたんにー、お芋さんにー、お豆さん!できたわぁ」

うさ吉
「オイうさ太。朝ごはんや、水汲んでこい」

うさ太
「おまえが汲めや」

「なんやと」
「あっ!この子また穴掘って!やめなさい出てきなさい」
「うさ太、よう聞け」
「耳クラッカー」
「わかりにくいわ。あのなうさ太、おまえも今日で三歳、ひよこで言うたらにわとりや」
「ひよこてお父さんフフフ これやめなさい出てきなさい」
「なんぼ隠れてもあかんぞー、もう巣立ちのときなんや」
「うっさいわ!耳ちょうちょ結びすんぞ!」
「あっコラ!」
「待ちなさい!」

(バターン!)

「母さん」
「はい」
「耳ほどいて」

 

 

きのこ家

きの作
「モーニン、きの子」

きの子
「モーニン、きの作さん」

「今朝も旨味成分グアニル酸がいい味だしとるね」
「きの作さんこそレンチオニンのすばらしい香りが食欲をそそるわぁ」
「おいおいきの子、よもや共食いを?」
「うふふ、コーヒーでも?」
「ああ、きみも」
「待って、お砂糖は胞子に悪いわ」
「…まさか」
「うち先週から車のワイパー舐めとうて舐めとうて」
「リアリー!?」
「あと先生用のでっかいコンパスかじりとうてかじりとうて」
「ジーザス!僕らにベイビーが!」
「そうよ、うちらに家族が増えるんよ」
「ちくしょう、うれしくて菌糸が止まらねぇ」
「きの作さんたら」
「なんてすばらしいプレゼントだ
「もう思い残すことはないわね」
「What?」

(コンコン)

「収穫でーす」

 

 

たぬき家

たぬ美
「おいしいお弁当の完成ー!あなたー!朝よー!あなたーーーーー!」

たぬ夫
「ここにおるがな」

「うわびっくりしたーーー!ポコポーン!」
「おっ、今日は七面鳥のふりかけか」
「きのうから丹念に丹念に刻んだの!」
「わざわざそんな手間のかかること…あっいやいや」
「…………」
「うそうそ!うわーおいしそうやなー!」
「あなた!ネクタイ曲がってますよ!」
「えっマジで」
「あなた!ワイシャツ裏返しですよ!」
「えっマジで」
「あなた!バスが来る時間ですよ!」
「えっマジで」
「あなた!ハンカチですよ!」
「それ葉っぱやん」
「えっマジで」
「笑!」
「笑!」

(バタン!ガチャンスコン)

「チェーンかけよった」

 

 

くま家

くま也
「なー、まだ怒ってんの」

くま奈
「…ううん」

「怒ってるやんか」
「…はぁー」
「んもー、ゆうべ来た『くま香』のことやろ?ほんま関係ないってばー」
「…どうやろね」
「あいつ先輩の元カノでな、俺に相談するって名目で、実は先輩の情報が欲しいだけやねん」
「…ほんま?」
「ほんまほんま!頼むわーぜんぜん関係ないってー許してぇなー、な?な?」
「どうしよっかなー」
「おまえの為やったら何でもするから!」
「例えば?」
「おまえの為にちぎれるほど深く手袋をはめてやる!電気をつけたまま電球取り替えてやる!チキンバーレルでサーブしてやるー!」
「あーもーわかったわかった!」
「四方八方飛び散るフライド マジ本気?」
「そんかわり!」
「今日は狩りやめてデートやろ?わかってるって!」
「んじゃ仲直りっ」
「おう!ほなおまえ、いつもの森に先いっといて!俺は用事のあとで行くから1時間後な!」
「わかったー」

(ガチャン!)

くま香
「おっはー!ちょっと早く来ちゃったー!」

 

 

むし家

むし次
「兄ちゃん、朝やで」

むし太
「…………」

「兄ちゃん、兄ちゃん」
「お兄ちゃんはまだ寝ていますので」
「起きてるやん。なーなー兄ちゃん」
「ぐーすかぐーすか」
「はな子ちゃんのことどない思う?」
「あいつはやめとけ」
「起きてるやん。なんであかんの?」
「はな子ちゃんはお花ですので。そして僕らはむしですので」
「でもな、でもな、僕きのうな、はな子ちゃんに誘われたんやで」
「なんて」
「『むし次くん、わたし、もうめしべがこんなになってしもたわ。我慢できひんの。早く来て』言うて」
「利用されてるだけやん」
「えっ」
「あいつ誰でもええねん。時期がきたら体からええ匂いさして、飛んでるやつら全員に声かけよんねん」
「そんなことない!」
「『わたしの上に乗って!はげしく体を動かして!そう!そこ!もっとこすってー!』」
「ちがう!はな子ちゃんは僕を!」
「『具体的に言うとおしべの先端に形成された花粉をめしべに付着させ受粉が成功するようにこすってー!』」
「兄ちゃんのアホーーー!」

(バターン!)

「触角ビンビンやん」

 

 

きつね家

きつ蔵
「…まぶしいわ」

きつ代
「…え?」

「…毛ぇまぶしい言うてんねん」
「しょうがないやないの。わたし、銀ぎつねやのよ」
「…あーまぶし」
「あーあ、結婚した時分はさんざんこの毛並みをほめてくれてたのに、えらい変わってしまうもんやね」
「そんな昔のこと知らん」
「森じゅうのオスが、お銀ちゃんが結婚したーお銀ちゃんが結婚したー言うて、それはそれは悲しんだものよ」
「言うのが楽しい年頃やったんやろ」
「コンコンコーン言うて泣いてはったのよ」
「そらきつねはコンコン言うがな」
「アンタ!!!」
「うわびっくりした!何やねんもー尻尾ふくらんでもうたやんけー」
「アンタもきつね、わたしもきつね、あっちもこっちも皆きつね」
「はぁ」
「きつねはコンコン鳴くんでっか?」
「…いや、あのほら、児童書とかにもコンコンって書いてるし
「きつねはコンコン鳴くんでっか?」
「…いいえ、鳴きません…ておまえもさっきコンコンコーン言うて
「起床ー!」
「オッサー!」
「はじめ!」
「ケェーーーン!」
「そう!」
「ケェーーーン!」
「よっしゃ!」
「ケェーーーン!」
「もいっちょ!」

コンコン)「郵便でーす」

「コラーーーーー!」

 

 

よしだ家

よし男
「………」

よし子
「………」

「しょうゆ」
「はい」
「………」
「………」
「べんとう」
「はい」
「………」
「………」
「…おい」
「はい?」
「…いや、うん」
「………」
「………」
「………」
「いってくる」
「はい」

(バタン)

(ガチャ)

「今日は早く帰る」
「はい」

 

 

(バタン)

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