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左利きの彼とわたし。


電車にて。
A: 「ちょっと、あかん、あかんて。さわったらおっきくなるやん」

B: 「おっきくしちゃえば?」

A: 「あかんってば」

B: 「つーかこれ前の席に聞こえてたら、うちら変態やん」

A: 「あ、こら・・・あっ・・・」

(ジーパンの破れた穴が広がってしまうのでさわらないでくださいという会話)



本屋にて。
B: 「この本読んだ?」
A: 「読んだよ。けっきょく最後主人公が死ぬんだ」
B: 「・・・・あたしまだ読んでないのに!結末言うなんて・・・」
A: 「あ、ごめんごめん」
B: 「・・・・・・・・」
A: 「いででででで・・・!」

京都にて。
B: 「俺の京都タワー!」

A: 「俺のは通天閣じゃ!」

B: 「てっぺんから落ちればいいのに」

A: 「・・・・・そっちがふったんじゃ・・・」

飲み屋にて。
B: 「うるさいなあ、もうー死ね。あ、まちがえた」
A: 「まちがえた?まちがいで、ひとに“死ね”っていうのかお前は」
B: 「ちがうねん、あのな、携帯の変換でもよく使う言葉が先にでてくるやんか。
   そんなかんじでつい出ちゃった、みたいなエヘ」
A: 「そんなかんじ?つい出ちゃった?コロスゾ」
B: 「あぁーー!!?殺すっていった?殺す、って言った。バカお前が死ね」
A: 「・・・・・・・・・」

メールにて。
A: 「明日の夜はD出来る?」
B: 「Dできる?ってなんですか?」
     A → キッス
     B → ペッテ・・・
     C → セッ・・・
     D → 妊・・・
   ムリムリムリー!!!できない!!!」
A: 「なんでやねん!デートのDや!」
B: 「あ、なーる・ほど。
   アナール。
   ていうか、デートのD、て。きっしょー」
A: 「きしょい、ていわれたらへこむ」
B: 「ごめん。きもい」

電話にて。
A: 「友だちんとこ遊びに行くついでにお前んとこにも行こかな。泊めてよ」
B: 「あほか。なんで泊めなあかんねん」
A: 「あかんのー?」
B: 「あかんわ。てか、きみ、だれや?・・・あ!いっこ空いてる部屋ある。
   部屋っていうか・・・。ナナ(犬)の小屋いっこ貸したげる。そこで寝たらい
いよ。
   ナナ(犬)今、玄関で寝かせてるから、使ってもええで」
A: 「お前、ほんっまムカツクなー」
B: 「そお?えっへへへ」

デパートにて。
B: 「あたしエスカレーターで上いくけど、君は階段ね」
A: 「え?」
B: 「先に着いてまっててね」
A: 「え?」
B: 「早かったね。走ってきたの?」
A: 「・・・・・ハァハァ」
B: 「じゃあ、今度はエレベーターに乗るね」
A: 「・・・・・・・やめて」


ほんとは、幼稚なあたしに彼が合わせてくれてるってことぐらい、わかってる。だっ
て彼はだれよりもおとなで、だれよりもやさしいんだもの。あたしの言うことはなん
でもきいてくれてるし、だれよりもあたしのことをわかってくれてる。
このイビツでチセツな恋が、あたしのいちばんの宝物なんだ。っていうのがこれぜん
ぶ妄想で、やさしい彼も脳内の住人で、とかだったら108つの煩悩なんかよりもまっ
さきに自分の脳味噌をどうにかすべきですよねそれでは皆様よいお年を。





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