『みんなで楽しい人生を!』
イベント多きシーズン、皆さんはどうお過ごしでしょうか。
世間一般、数多の人々が、幸せな時間を過ごしていることでしょう。
しかし反面、その幸せの裏で凄惨極まりない現実を、
突きつけられている人々もいるのです。
例えば、今のような年末の場合。
年末を忌み嫌っているような人々が、毎年受ける恥辱の凄惨さときたら。
恥辱を受ける?実を言うと受けてない。受けることすらない。
何もない。「何もないという最も残酷な恥辱」がそこにある。すなわち無間地獄。
ネットリと、ジットリと、艶かしく焦らされる。されど時間はいつまでも何ももたらしてくれない。
き、気持ち良
悪い!
「年末、誰と過ごした?」
愚問にも程があるでしょう。答えるまでもありません。
それはクウキという、掛け替えのない仲間。
クウキ、というユニットは、約8割をチッソ、約2割をサンソが占めています。
チッソは愛想は良くないが、いつも元気に言い争う、ちょっとした喧嘩友達。
サンソはとても優しい性格で、彼なしではとても生きていけないような友達。
まるでそこにいないかのように、透き通った肌の彼等。無色の友達。
そして俺は、彼等から見れば無職のトモダチ―。
無色の友達?馬鹿な。ハハハ!ホホ!マロには友達などおらぬ。それは空気でありけり。
ひぐらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくるのみ。
心にうつりゆくよしなしごと…
(公でラブラブしてるサル共を、強烈な下ネタを交え、口汚く罵倒してやりたい気持ち)…
優しくしてくれるのは最早衣服しかない。ソフランによってもたらされた肌触りしか有り得ない。
消える鼓動。人間としての命を捨て、異形と化していく男の躰(からだ)。
イマジンオールダピーポー。
ジョン・レノンの姿を思い浮かべてごらん。
クリスマスに独り佇むジョン・レノンを。
ジョン・レノン?:「ごめん、そっくりさんやねん…」
そして今、「復讐の鬼」という名の赤鼻のトナカイが鈍色の空を駆け巡る―。
不動明王すら恐れをなす、全ての生命を刈り取る正真正銘の邪悪である。
…等という間違いが起こりかねません。
せっかくの楽しい年末が台無しです。
とは言いましても、既にもうこんな内容の文章を書きなぐり終えた人々が、
この広大なインターネッツにはごまんといるでしょう。
皆様も飽く程に、上記と似たような文章を読んでこられたであろうことは、想像に難くありません。
かくいう俺も「動く産廃」、「人間第三世界」等という異名を、欲しいがままにしている極悪人です。
一度そんな文章を書き出そうものなら、原稿用紙やスペースが、いくらあっても足りません。
先述したように、ひどい下ネタを交えて世間の人々の悪口を言いたくなります。
そして俺が頑張った分に反比例して皆様からの評価は下がるのです。
でもやっぱりそんな年末おかしいよね。
「期間限定、年末総決算セール!」
なんて近所のスーパーが声高に言っているにも関わらず、
「めがねクリーナーふきふき」しか売れない。そんな年末。
おかしいよね。狂ってるよ、狂ってる。
買ってやれよ惣菜を中心によ。メガネなんて服で拭けるじゃねえか。
最悪、指でも拭けるよ。そんな事も分からない程に欲情してるの?発情アニマルなの?
お前らみたいな半端モンのメガネは、指紋でベタベタでいいんだ。
今もそうやってベタベタしているだけに。メガネも。ベッタベタで。
ほーら、ベッタベッタ、ベッタッター。国内外問わずベッタッター。
はい、もっと地べたに這いつくばってね。お似合いですこと。
小学生の頃同じクラスにいた、トクナガ君のメガネもそんなんだったよ。
お前らみたいなモンは、キャラクター業界で言う「サンリオ」、
その中の「みんなのたあ坊」的ポジションだ。今の。見かけないだろ。
でもトクナガ君自体は馬鹿にするな。それだけは許されない。
この名刀・陸奥守吉行のサビにしてくれる。右袈裟に斬り捨てる。
返す刀でマンガを借りて、ページの間にポテトチップスのカスと耳クソを詰める。
斬った!確実に斬った!そして詰めた!手応えあり!
ハッ、これは我が妻、お菊!おのれ、うぬら、謀ったな!
おっと危ない 車は急には止まれない!
うっかり負のベクトルの文章になる所でした。話を元に戻します。
俺のような人間が、いかにも俺が書きそうな内容を書いたところで、詮無いことですし、
せっかくの一年の締めくくり、という時くらいには、人にも自分にも喜ばれる
「誰しもにプラスになる文章」を書きたい、と思うわけです。
クリスマスがダメだった人も、
今年の正月に何かハッピーな出来事が、起こるかもしれませんよ。
もし仮に、今年が全部ダメだったとしても、
来年はその負い目を払拭してくれる程の幸せが、訪れるやもしれません。
いえ、幸せが向こうから訪れてくれなくても、
我々が幸運を手繰り寄せられればいいのです。
世の中なんて結局、文句を言ってばかりでは何も得られません。
今幸せを手にしている人達は、きっと見えない所で、計りしれない努力をしている。
我々も彼等に倣うべきなのではないでしょうか。
そこで今回は俺が、「幸せな年末を送る方法〜クリスマス編〜」
として一つのモデルを、日記形式で提示します。
これが皆様の幸せな生活に繋がるような事があれば、幸いです。
卑屈な心は捨てて下さい。ポジティブシンキングでいきましょう。
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【AM 7:00】
起床。今日はクリスマス。俺にしては随分と早い目覚めだ。
「早起きは三文の得」と昔からよく言うし、出先好調と言えるだろう。
良い一日になりそうな予感がする。
カーテンを開けると一面、灰色の絵の具をぶちまけたかのような曇天。
「わあ、きれいなアッシュグレー!」
笑顔が引きつった。
昨日の疲れが溜まったことによる痙攣だろう。
疲れによる痙攣としか考える他ない。
【AM 8:00】
食事と洗顔を済ませ、外出する仕度をする。
流しっぱなしにしていたテレビに、見慣れたお天気キャスターが映った。
生憎、今日はずっと曇りらしい。しかし降水確率は高くない。
不幸中の幸いだ。楽しいクリスマスを過ごそう。
しばらくして星座占いが始まった。
「今日の最下位は、ごめんなさい、射手座のあなた」
クリスマスの日なのに。
射手座の人は可哀想だ。
射手座なのでテレビを回し蹴りしたら、九時方向に吹っ飛んでいった。
格闘技の才能があるのかもしれない。素晴らしい。
【AM 9:00】
テレビを吹っ飛ばしたので心が晴れ晴れとしている。
ポジティブ思考の人間で良かった。
意気揚揚と、普段から仲の良い女友達にTELする。
「ごめん、彼氏が急にこ」
電話を途中で切ってやった。
彼氏が居る女なんかと、一緒にクリスマスを過ごせるものか。
仲良いはずだったのに彼氏の有無すら教えない奴なんていらない。
電話帳の番号、一件削除だ。
だが結局、長年の付き合いの男友達も全員ダメだった。
「知り合い・女」カテゴリーの電話番号が今日で7件削除された。
電話帳が整理出来てすっきり。
【AM 10:00】
就寝。
人間の三大欲求で最も重要なのは睡眠欲に違いないのだ。
【PM 2:00】
玄関のチャイムが鳴る。
誰だ、こんなクリスマスの日に。
しぶしぶ布団から這い出て、玄関へ向かう。
扉を開けてみると、歳は20代半ば頃であろうか、
小柄ではあるが均整のとれたスタイルの美女が立っていた。
しめたぞ。本当にツキが向いてきた。
「この壺、買いませんか」
均整のとれたスタイルの壺だった。
【PM 2:00】
アコムレディの電話対応は素晴らしい。何より優しい。
対応してくれたあのお姉さんは、将来社内で大物になるに違いない。
【PM 2:30】
壺を売ってくれた女性の電話番号をゲットした。
最高のクリスマスだ。プレゼントとして出会いをくれるなんて。
電話番号の横に、何やら「自己啓発」だとか、
「さわやかセミナー」だとかいう文字が書かれていた。
カウンセリングか何かを営む家系の娘か。大物だ。
【PM 4:00】
われました壺
【 : 】
【 : 】
【PM 10:00】
遅々として進まない片付けもそこそこに、
先ほどゲットした番号にTEL。すぐさま男が出た。
きっと俺のお義父さんになる人だ。
緊張のあまり、電話を切ってしまった。
しかし、次電話する頃には娘さんを必ずいただくので覚悟されたし。
【PM 11:00】
壺の破片がペーパーナイフ代わりに使える事を発見。
元々俺はペーパーナイフなんて子洒落た物を持っていなかったし、これは便利だ。
これからどんどん子洒落た小物を増やしていけそうな気がする。
人より頭一つ抜きん出た、美的センスの芽生えかもしれない。
等と考えていた矢先、またチャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろう。
もしかしたら俺の約束を蹴った女の一人かもしれない。
そら見ろ。どこの馬の骨とも分からない奴より、俺の方がずっと格上なんだ。
謝るのなら、まあ許してやってもいいだろう。
まだ足元に散っていた破片でザックリとやった。
慌ててたんじゃない。ちょっと走っただけだ。
足の裏の皮が厚くなって欲しかったところだし、丁度良い。
でも痛いので泣いた。
痛いのは足じゃない。痛いのはもっと深い…別の場所だ。
【PM 11:00】
ドアを泣きながら開けるとスーツ姿の老人が立っていた。
しわくちゃの顔。髪と髭が異様に長く伸びている。
しかしその眼光は鋭く、吸い込まれてしまうような独特の迫力があった。
一言で形容するならば、「スーツを着た仙人」という感じである。
しかし期待していた来客でなかった為か、
俺は涙が止まらなくなってしまった。
老人はそんな俺の様子を見ても、戸惑う素振りも見せずこう言った。
「神はちゃんと見ています。これは頑張った貴方に贈られる、クリスマス・プレゼント」
その刹那、突風。
老人の頭髪が、いや、かつてそうであったはずの物体がズルリと外れ、宙空を舞った。
【PM 11:30】
これは凄い。幸せになるための方法が、
分かりやすくケーススタディ式に編纂されている。
「棚から牡丹餅」とはまさにこういうのを言うのだろう。
震える手でページをめくっていると、ふと、ある箇所が目に留まった。
あなたがもし、絶望のどん底に叩き落されてしまっても、落ち着きましょう。
あなたはヒーローです。どんな逆境でもくじけることはありません。
自分の弱さを認めてはなりません、あなたは強い人間です。
「自分は大丈夫だ」という思いのたけを、文章に書いてみて下さい。
書き出しはこうすると良いでしょう。
ページをめくる。そこにはこう書いてあった。
イベント多きシーズン、皆さんはどうお過ごしでしょうか。
世間一般、数多の人々が幸せな時間を過ごしていることでしょう。
しかし反面、その幸せの裏で凄惨極まりない現実を、
突きつけられている人々もいるのです。
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出典:『みんなで楽しい人生を!』 著者・自己啓発さわやかセミナー
「年末、誰と過ごした?」
俺の文章と、ですね。
惨め、ですね。
俺が。
ポジティブシンキング?何それ?
横文字は苦手です。
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