index / about / ARTIST / TIME TABLE / LOG / EXTRA / SPECIAL THANKS / MAIL


むかしむかしのことでした。 

むかしといっても、まだ戦後まもないころのお話です。 

そのころの日本は、やけのはらで 

たくさんの人たちがふっこうさぎょうにつとめてました。 

すべてがいちからやりなおし。 

それでも国民はがんばってはたらいてました。 

なので日本人ははたらきものなのです。 

そんなことも知らない、いまのわかものはおろかです。 

さてそんな日本に、とある家族がいました。 

おかあさんとむすめ(9さい)とむすこ(4さい)。 

おとうさんはせんそうで死んでしまいました。 

それでもおかあさんたちはがんばって生きていました。 


ある日、むすめは近くにすむおんなのことおままごとをしていました。 

そしたら一台のろーるすろいすが近づいてきました。 

ろーるすろいすとは、おかねもちが見せびらかしたいために買う車です。 

いかにじぶんがお金をもっているかとじまんしたがっているのです。 

そんな車におどろくことはありません。 

でもびんぼうにんはおどろいてうらやましがるです。 

その顔をみておかねもちはうれしがるのです。ばかですね。 

そんな車からうんてんしゅさんがおりてきて、 

ドアをあけたら、ひとりのおんなのこがおりてきました。 

むすめは、ドアぐらいひとりであけられるのに、と思いました。 

おりてきたおんなのこはぶさいくでした。 

そしてほるすたいん体型でした。はっきりいってかわいくないです。 

片手にはむすめたちがたべたこともない骨つき肉をもってて、 

もうかたほうの手にはおんなのこたちがみたこともないお人形をもってました。 

そしてのっしのっしと近づいてきて、 

『ごきげんよう』ときたない声で言いました。 

むすめたちは社交辞令で『こんにちわ』と言いました。 

でも顔をあげることなく、おままごとを続けてました。 

そんなおんなのこたちにムカついたほるすたいんは、 

『あなたたちはこぉーんなお肉もたべたことがないんでしょーぅ?』と言って 

肉をさわった手で持っていた人形をさわりました。 

ベタベタしてるので人形がかわいそうでした。
 
そしておんなのこはお肉をむすめたちの目の前で投げ捨ててしまいました。
 
『あらぁー。落ちちゃったー。もぅ食べれないわぁー』 

そう言ってほほほとわらって車にのって帰りました。 

おんなのこたちは無言でじめんにおちた肉をみつめました。 

ろくにごはんも食べれなかった時代です。 

いつもおんなのこたちはいつもお腹をすかせてました。
 
そんななかでのごちそうです。 

イヤミを言われてもお腹はすきます。 

そしてお肉を半分にわって、むすめは家にもちかえりました。
 
むすめのもちかえったお肉で、おかあさんたちはよろこびました。
 
でも、お肉といってもみなさんの手のひらぐらいの大きさです。
 
今夜一晩お腹いっぱいになっても、 

あしたは少ない配給しかごはんがありません。
 
むすめは考えました。どうしたらごはんがもっともらえるのか。
 
むすめは一晩寝ずにかんがえて、あることを思いつきました。 


つぎのひ。 
むすめはフラッとどこかへ行ってしまいました。 

夕飯のじかんになっても帰ってきません。 

おかあさんはしんぱいしました。 

おとうとがぐずりだしたので、さきにご飯を食べることにしました。
 
そしてむすめが帰ってきました。 

でも、むすめの両手は真っ赤でした。 

そしてむすめはニコニコわらってました。 

おかあさんは、どうしたのと聞きました。 

むすめはうれしそうに、 



『お肉とってきたの。』 



そう言って引っ張りだしたのは、 

血で真っ赤になったほるすたいん娘の死体でした。 

Copyright © 2005 中村. All Rights Reserved.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送